HSP(繊細さん)が子育てするとき、どんなことが大変になるのでしょうか。
子育てはただでさえ大変なものですが、ひといちばい繊細な人にとっては普通よりも大変に感じることが多いです。
この記事では、HSPにとって子育てはどんなことが大変なのか、HSPの子育てが少し楽になる方法を紹介します。
HSPとは
HSPは(Highly Sensitive Person)の頭文字をとった言葉です。
「生まれつき感受性が強く敏感な人」という意味を持ちます。
HSC(Highly Sensitive Child)と同じく、心理学者であるエレイン・アーロン博士によって提唱されました。
HSPは5人に1人の割合でいると言われています。
人の感情の変化に敏感だったり、人よりも感覚刺激に対して敏感に反応したりします。
また、周りの目を気にしやすく、一度に複数のことをしなくてはならない状況に置かれると混乱するため、仕事においても他の人より大変さを感じている場合が多いです。
HSPの子育てで大変なこと
HSPが子育てをするとき、どのようなことが大変なのでしょうか。
- 子どもの泣き声が辛い
- 完璧を求めるあまり焦る
- 全て一人で解決しようとする
3点について解説します。
子どもの泣き声が辛い
親にとって、子どもの泣き声はつらいもの。
赤ちゃんや子どもが泣いていると「何とかしなくては」と焦りますよね。
HSPは、他の人よりも感覚刺激を受け取りやすいので、泣き声が聞こえると焦るだけではなく、イライラします。
また、子どもが泣いている=子どもが辛いと感じている気持ちに共感しすぎて、自分自身が辛くなってしまうことも。
泣き声は一例であり、このように感覚刺激を敏感に受け取るHSPは子どもと関わるときにさまざまなストレスを感じます。
例えば、子どもとのスキンシップであるボディタッチやくすぐりは、触覚刺激に対して敏感なHSPにとってはただただ不快な刺激となります。
そのため、子どもと楽しくスキンシップをとりたくてもとれないという場合があります。
決して子どもに対して愛情がないわけではなく、くすぐりなどの刺激が不快なだけなのですが、子どもからすると親とスキンシップをとれないのは悲しいですよね。
触覚刺激に対して敏感な人は、優しく触られると気持ち悪い、くすぐったいと感じる場合があります。
その際は、強く圧を加えて触る(例:ぎゅっと抱きしめる)と不快さが軽減されるので、子どもには「そっと触るんじゃなくてぎゅってしてね」と伝えると良いです。
完璧を求めるあまり焦る
HSPは常になにが一番いいのか考え、完璧を求めてしまう傾向にあります。
そのため、子育てだけではなく家事や仕事もすべて完璧にしなくてはならないと思うあまり焦りが強くなります。
やらなくてはいけないことが同時に多数のしかかったとき、キャパオーバーとなってしまうことも。
家事をしているときに子どもが泣き出した、夕飯のおかずは健康を考えてバランスよく作りたいのに食材が足りない、となったときに困り果ててしまうこともあります。
また、仕事をしている人は仕事中に子どもが熱を出して早く帰らなくてはならない状況になったとき、職場に対し過度に申し訳なさを感じそれがストレスになることも。
全て一人で解決しようとする
HSPは完璧を求めるという特徴から、人に頼るのが苦手です。
そのため、困っていてもすべて一人で解決しようとします。
また、パートナーに頼りたくても「仕事で疲れているかもしれない」と思うとやってほしいことがあっても言い出せなかったり、話したいことがあっても自分の心のうちにしまっておく傾向があります。
そして知らず知らずのうちにストレスとなり、キャパオーバーになってしまいます。
HSPの子育てを少し楽にする方法
HSPが子育てをするとき、少しでも子育てを楽にする方法があったら知りたいですよね。
そこで、子育てを少し楽にする方法を3つ紹介します。
- 感覚刺激を減らす工夫をする
- 完璧を求めない
- 他者に頼る
それぞれについて解説します。
感覚刺激を減らす工夫をする
HSPは他の人より感覚刺激を受け取りやすい特徴があります。
特に子育て中気になるのは、子どもの泣き声ですよね。
また、子どもの年齢によってはかんしゃくで大声を出されたり、叫び声を出された時に強くストレスを感じる傾向があります。
苦手な音は聞けば聞くほど慣れるというわけではなく、苦手な感覚は取り除かないと解決しません。
そのため、大きな泣き声がストレスになる場合は耳栓をする、子どもの安全を確保した状態で落ち着くまで他の部屋に逃げて声が聞こえないようにするなどの工夫が必要です。
また、部屋にたくさんものがあり、視覚情報が多くてイライラしてしまう場合は、思い切って断捨離をして刺激を減らすのがおすすめです。
くすぐられたり、そっと触られるなどの刺激が苦手な場合は、子どもに伝えておきましょう。
子どもはスキンシップがとりたいのに、拒否されたと思ってショックを受ける可能性があります。
「ママはそっと触られるのが苦手だからぎゅってしてね」など伝えることで、例えくすぐられたときに楽しそうに振る舞うことができなくても、子どもがショックを受ける可能性は低くなります。
完璧を求めない
子育ては特に思い通りにいかないことの連続であり、思い通りにいかないのが当たり前です。
家事も育児も仕事も完ぺきにやらなくては、と思う気持ちはわかりますが、はじめからそれは無理と理解しましょう。
1日くらい洗濯しなくてもいいし、掃除機をかけなくてもいいし、料理を作るのが大変だったらお惣菜を買ってきてもいいのです。
頭の中に「まぁいっか」という思考を入れておくのが大切です。
子どもに怒ってしまったことをあとから過度に反省する人もいるでしょう。
子どもに怒るというのは子どもを大切に思っている証拠です。
自分を責める必要はありません。
伝え方が厳しかったと思うなら、次から気をつければいいのです。
子育てをしていると、周りのみんなは頑張っているのに自分だけ上手くいかない、なんてダメな親なんだと感じてしまうこともあるでしょう。
しかし当たり前ですが完璧な親なんていません。
また、周りも上手くいっているように見えて本当は大変なことも多いのです。
自分がだめだと思うことは、それだけ一生懸命子育てに向き合っている証拠です。
むしろ「自分は頑張っている」と褒めてあげましょう。
他者に頼る
HSPは他者のことを思うあまり、頼ることが苦手です。
しかし、子育てはただでさえ大変なので一人ですべて解決しようと思わないことが肝心です。
いっぱいいっぱいになる前に、パートナーや頼れる人に頼りましょう。
あれこれ全て頼むのは申し訳ないという人は、一つでもいいので自分の負担を減らす練習をしてみましょう。
ゴミ出しや洗濯、食器洗いなど頼めそうなことを頼むと、心が軽くなります。
また、パートナーに頼るのは難しく、身近にも頼れる人がいないという人は外部のサービスを使うのがオススメです。
家事代行サービスや子どもを預かってもらえるサービスなどさまざまなサービスがあるので、うまく利用して自分の時間や心の余裕を確保しましょう。
まとめ
HSPはひといちばい敏感な性質を持つので、他の人より子どもの泣き声が辛い、完璧を求めすぎる、全て一人で解決しようとすることが子育てにおいて大変です。
その大変さを少しでも楽にするため、感覚刺激を減らす工夫をする、完璧を求めず頭の中に「まあいっか」という考えを持つ、パートナーや外部サービスなどを利用し他者に頼ることが大切です。
日々頑張っている自分を褒め、少しでもいいので身体と心を休められるようにしましょう。