感情的な子育てを変える親の「怒りの感情」へコーチングのアプローチを!

子どもにい生き聞かせる親の様子

「ついイライラして子どもへ暴言を吐いてしまった」
「子育てに感情的になってしまう自分がキライ」

子育てをしている親は、言うことを聞かない子どもへ感情をぶつけてしまうこともあるでしょう。そして後になって、キレてしまったことへ自己嫌悪を感じ、落ち込んでしまうこともあると思います。

子どもへの影響を心配して、なんとか感情的にならずに自分を保ちたい。けれど、自分の怒りの感情をコントロールできない。そのような親の悩みへ、コーチングの手法は良い効果を与えることができるかもしれません。

本記事では感情的な子育てを変えるために、コーチングを生かせる理由について考えてみたいと思います。

感情的なしつけが子どもに与える影響

すっぱいものを食べて顔をしかめる子どもの顔

子どもに対して感情的に接することには、さまざまな弊害が懸念されます。

まずは感情的なしつけが子どもに与える影響について、客観視するところからはじめましょう。

子育てで親は感情的になってしまいがち

子育てを行う親も人間です。喜怒哀楽の感情は、親であっても自然に浮かぶものです。予定通りに進むはずのない子育てで、親に怒りの感情が沸き上がるのは当然のことだと言えます。

最近は、両親共働きで子育てを行うことも当たり前になりました。ただでさえ心に余裕がないのに、子育てが思うようにいかない。そんな時「いけない」と理性でわかっていても、つい子どもに対して感情的になってしまうこともあるでしょう。

しかし多くの親がそのような自分の行為を後悔します。「どうしてあんな言い方をしてしまったのか」「子どもが心を閉ざしてしまったらどうしよう」などと、思い悩む声が頻繁に聞かれます。

子どもは親を見ている

感情的に叱ったからと言って、子どもが言う通りに動くかというと、そうでないことが大半です。むしろ感情的になっている親をみて、子どもも感情的な態度を示すことが多いでしょう。

子どもは親を見ています。感情的に物事に接する親をみて、子どもも感情的な行動をとるようになります。「思うようにいかない事柄には感情的に対応して良い」と考えるようになります。

感情的なしつけを続けていては、子どもの健全な成長など期待できないのです。

子どもが親の顔色をうかがうようになる

感情的な子育てが日常化すると、子どもは親の顔色ばかりをうかがうようになります。

自分のやりたいことや、心に浮かぶ思いがあっても、親が怒ることはしない。いつも優等生で、親が喜ぶか怒るかが、善悪の判断基準になります。

しかしそれでは、子どもの自主性が育ちません。自分の長所を伸ばしていくような成長を、自らストップしてしまうことにつながりかねません。

子どもの自己肯定感が下がる

親が感情的に叱ってばかりいると、子どもは「自分は何をやってもダメな存在だ」と自己肯定感を下げていくことになります。

自己肯定感は「ありのままの自分を肯定する力」。すべての活動の源です。自己肯定感が下がっていては、自主的な行動が起こせなくなるだけでなく、反省すべきと自覚していることに対しても、その改善すらできなくなってしまいます。

子どもを変えるにはまず親が変わる

「子は親の鏡」と言われます。子どもが自主性を身に付け、理性的に物事に取り組む力を培うには、まず親が変わる必要があります。

子どもに感情的な態度をとらせたくないのであれば、まずは親自身が感情的になることについてコントロールする必要があるのです。

親の「怒りの感情」へコーチングのアプローチを

子どもに注意をする親の様子

感情的になることが良くないとわかっていても、当然のように浮かんでくる喜怒哀楽に対し、自分の意志だけで上手に対応するのは容易なことではありません。そこで今回提案したいのが、「コーチング」のアプローチです。

コーチングが親にどのような効果を与えるか。親へのコーチングの大切さについて解説します。

子育てにもコーチングの手法を活かせる

コーチングはビジネスやスポーツの現場で取り入れられることの多い手法です。ビジネスの場合コーチは、クライアントのありたい姿や、そこへ到達するための方法、それを阻む事柄やその対処法などを、「本人の内側」から引き出していきます。

重要なのはクライアント本人の中に答えを見出す、という点。コーチングを通してクライアントは、整理のついていなかった感情や、混乱していた思いに冷静に向き合うこととなります。

このような活動は、子育てを行う親にとってもたいへん有効なものです。

コーチングで親が自分の感情に気付ける

コーチングを受ければ、親も自分の感情を客観視することになるでしょう。感情的になっていた自分を素直に受け止め、その対処法を冷静に考えられるようになるかもしれません。

怒りを感じていた自分、感情的になったことで自己嫌悪に陥る自分を改めて観察し、子どもと自分のために、「冷静に対応しよう」という気持ちを確認できるかもしれません。

そのような気づきがあれば、怒りを感じた時に立ち止まることができます。コーチングを受け、自分の感情に気付けば、子どもに対し感情的になることも制御できるようになる可能性があります。

感情的な行動を冷静に見つめることにつながる

感情的になってしまった自分を反省し、自身の感情を押し殺そうとする親がいますが、それは適切な対応とは言えません。

親も当然怒りを感じることがあり、子育てに対し「つらい」と言いたくなることもあります。

それなのにその思いを認めず、正直な気持ちに蓋をし続けていては苦しいばかりです。問題なのは怒りを感じたことではなく、その怒りを制御できずに行動や言動に出してしまったことです。

感情的な行動をやめたいのであれば、怒りを無視するのではなく、怒りは怒りとして冷静に認めて、その先の行動をコントロールしていけば良いのです。

コーチングを受ければ、感情的な行動にいたった素直な気持ちや後悔の念を、冷静に見直すことができるでしょう。理性的な行動を身に付けるためには、それを認識することが第一歩となります。

親へのコーチが求められている

親へのコーチングは、健全な子育てにも良い効果をもたらします。しかし、現在親へのコーチングの効果は広く知られておらず、コーチも足りていないのが実状です。

ビジネスコーチングのコーチに知識やスキルが必要なように、親へのコーチにも専門の技術が必要です。今後親へのコーチングの重要性が広く認識され、親へ正しいコーチングを行えるコーチが増えることを期待します。

特に、現代は子どもの自主性がたいへん重要視されています。未来像が描きにくい時代に、自分で思考し自分で成長していける子どもを育てる第一歩として、親へのコーチングは重要な役割を果たすでしょう。

感情的な子育てを変えるため、親へのコーチングには大きな効果が期待できる

ソファーに座り笑顔で語り合う親子

本記事では、子育てに感情的になってしまう親の悩みや、感情的なしつけの子どもへの影響、そして「親へのコーチング」の効果について考察してきました。

子どもに対してつい感情的になってしまうことは、どの親にも起こり得ることです。そこで大切なのは、怒りの感情を押し殺すことではなく、むしろ怒りの感情をはっきりと自覚することです。

感情の存在に気付き、はじめて行動を制御できるようになります。コーチングは自分の感情と本来ありたい姿について、親が気付く大事なきっかけとなるでしょう。

今後親へのコーチングの重要性が広く認知され、「親へのコーチ」が増えていくことを願っています。