発達障害の子を持つ親を支援することに大切なことや心がけるべきことは何なのでしょうか。
支援者としてどのようなことを心がけると良いのか、どのような支援ができるのか日々悩みますよね。
この記事では、発達障害の子を持つ親を支援するときに大切なことや、支援者がやるべきこと、支援者のあるべき姿を徹底解説します。
発達障害の子を持つ親の気持ちに寄り添う
支援者は、発達障害の子を持つ親の気持ちに寄り添うことが大切です。
具体的には
- 親をねぎらう
- 子どものできる部分に注目しフィードバック
それぞれについて解説します。
親をねぎらう
ただでさえ子育ては大変な中、発達障害の子を持つ親は普通の子育てにプラスして工夫が必要なので日々頑張っています。
また、つい周りと比べて疲れてしまったり、なかなか思うようにいかず悩んでいたりすることが多いです。
しかし子育ては人から褒められたり認められたりする機会はなかなかなく、心身ともに疲れている親も少なくありません。
そのため、支援者はまず毎日頑張っている親をねぎらうことが大切です。
例え子どもと上手くいかない日が続いている親でも、毎日精いっぱい頑張っているのです。
親の頑張りを認め、ねぎらいましょう。
子どものできる部分に注目しフィードバック
発達障害の子を持つと、つい周りと比べてしまい出来ない部分に目が行きがちです。
もちろん発達障害のない子と比べ、出来ないことが多くあるのは事実です。
しかし、発達障害があろうとなかろうと、みんな出来ることや能力はそれぞれ違って当たり前です。
大切なのは、その子自身が成長できているかどうか。
前回と比べて出来るようになった点や、以前と比べて少しでも成長している部分が見つけられたら積極的に親にフィードバックしましょう。
毎日一緒に暮らしていると親はなかなか子どものできるようになった部分に目を向けられず、自信を無くしたり不安になったりしているかもしれません。
「以前より困ったときに伝えてくれるようになった」「お願い、やって、ちょうだい、などの要求ができるようになった」など親が気づかないような本当に小さなことで良いので、支援者がお子さんのできる部分に注目し親に伝えましょう。
発達障害の子を持つ親の負担を減らす
子育てに日々追われている親は、少しでも効率よく過ごしたいと思っているものです。
支援者の立場から出来ることがあれば、積極的に行い親の負担を減らすのもおすすめです。
- 地域で使えるサービスを調べて紹介
- 家の中での工夫をアドバイス
2点について解説します。
地域で使えるサービスを調べて紹介
市区町村ごとに、子育てにおいて使えるサービスは多くあります。
幼児期や小学校に入ってからなど時期によってもさまざまです。
しかし、親は普段の忙しさからどんなサービスを使えるのか知らなかったり、自分で調べるのが苦手だったりする人もいます。
例えば家で宿題を見るのが大変でイライラしてしまい子どもに怒ってしまう人には、放課後デイサービスや学童で宿題を見てもらうなどのサービス紹介ができます。
その他にも家で未就園の子とずっと過ごすのが大変という人には、子育て支援センターなどの地域で使えるサービスが紹介できるかもしれません。
また、少しでも一人で過ごす時間が欲しいという人には一時保育やファミリーサポートなどのサービスもあります。
小学生は高学年くらいになってくると親が宿題を見るのに限界を迎えることもあるでしょう。
その際は塾など外部のサービスを検討してもいいですが、親によっては中々外部に頼るということが浮かばない人もいます。
そういう際にアドバイスできるようにしておきましょう。
子育てにおいて使えそうなサービスをある程度調べておいて、紹介することで親の負担を少しでも減らせるのであれば紹介するのがおススメです。
家の中での工夫をアドバイス
発達障害の子の子育ては、普通の子育てに少し工夫やコツが必要となります。
おもちゃを片づけない、物をすぐに無くす、整理整頓ができないなどさまざまな困りごとを抱える親が多いです。
その際に、かたづける場所はわかりやすくラベリングする、おもちゃは親がほぼ片付けて最後の1個だけやってもらうだけで良い、など家の中で工夫できることや「こうすればうまくいく」ということはたくさんあります。
親から普段の困りごとを相談された時に適切なアドバイスができるよう、支援者はさまざまなコツや方法を考え、知る必要があります。
また、一回のアドバイスで上手くいくとは限りません。
ひとりひとりに合った支援ができるように一つの方法がだめだったら他の方法を紹介できるようにしましょう。
子も親も元気になれる振る舞いを心がける
支援者は、子も親も元気になれるような振る舞いを心がけるのが大切です。
- 出来る限り明るく振舞う
- 何か一つアドバイスを必ずする
それぞれについて解説します。
出来る限り明るく振舞う
発達障害を持つお子さんも、その親も日々多くのストレスの中で頑張っています。
発達障害を持つお子さんは感覚刺激の受け取りの偏りや保育園、幼稚園、学校の行事等で、発達障害がないお子さんよりも多くのストレスを感じやすいです。
また、それを一番身近で支援する立場の親もまた、どう支援したらいいのか日々悩み試行錯誤し頑張っています。
そんな中、支援者に会うのを心待ちにしている人は多いです。
その時に、支援者が毎回暗い顔をしていたら、子どもも親も暗い気持ちになってしまいます。
もちろん深刻な相談があるときなど、笑ってはいけない場面などでは明るく振舞う必要はありません。
そのため、時と場合には寄りますが、お子さんと親と接するときは出来る限り明るく振舞うことで元気を与えられたり、笑顔になってもらえます。
常に笑顔で元気な人を見ると元気がもらえますよね。
支援者は普段頑張っている子や親の癒しの場にもなれます。
何かひとつアドバイスを必ずする
支援者が発達障害の子や親に会う機会は毎日ではありません。
人によっては週一回、もしくは月一回、数か月に一回という人もいるかもしれません。
そのため、何か悩みを抱えてきてくれたら、支援者と会わない間にどんなことをやってみると上手くいくのか、一つでもいいので必ずアドバイスをしましょう。
ただ話を聞くだけでは支援者とは言えません。
発達障害を持つお子さんやその親が支援者に会えない期間も元気一杯頑張れるようお土産としてアドバイスをするのが大切です。
そのアドバイスは支援者が今のお子さんの状態を見て評価し、適切であることが大切です。
ただ、全てのお子さんに当てはまる方法や支援はありません。
もちろん、一つアドバイスしたことが必ず当てはまるとは限りません。
子育てや支援に正解は無く、トライ&エラーの繰り返しです。
一つアドバイスしたことが上手くいかなければ、次回会った時にまた別の方法をアドバイスすれば良いだけです。
支援のための方法や案の数は多ければ多いほど良いです。
支援者がどんな方法や支援があるか知らなければアドバイスも出来ません。
支援者になりたての人は先輩からたくさん話しを聞くなどして、自分の知識を増やしましょう。
また、支援を始めて長い人も、他の人の意見を聞くことで自分の考えとは違った別の支援方法を知ることや新しい方法を知ることが出来るかもしれません。
常に知識をアップデートし、発達障害の子や親の役に立てるよう自己研鑽することが大切です。
まとめ
発達障害の子を持つ親を支援する際には、日々頑張っている親をねぎらい、子どものできるようになった部分に注目しフィードバックをすることが大切です。
また、発達障害の子が地域で使えるサービスを調べて親に伝えたり、家の中が上手く回るよう工夫できる点をアドバイスすることも、親の負担を減らすことにつながります。
発達障害のお子さんや親と会うときには、元気になってもらえるよう出来る限り明るく振舞いましょう。
支援者と会うのを楽しみにしている人や、支援者と会うことで元気をもらっている人は多いです。
次に会うときまで元気いっぱい頑張れるよう、何か一つアドバイスをしてください。
そのために、日々発達障害のことや支援方法を勉強し、自己研鑽に励むことが大切です。