学修者が能動的に学ぶという意味のアクティブ・ラーニング。
実際どのような効果をもたらすのでしょうか?
また教育者が授業をする際の、具体的な授業方法について紹介します。
アクティブ・ラーニングの効果
アクティブ・ラーニングで得られる効果は以下の3つです。
- 主体的に学習するようになる
- 理解を深められる
- 協調性を高められる
それぞれについて解説します。
主体的に学習するようになる
アクティブ・ラーニングでは、学習者が自分たちで問題を解決したり、想像力を働かせたりすることを重視しているため、学習者が主体的に学習することができます。
今までの授業は受け身であり、自ら考え発信する機会は少ないものでした。
人は「教えられる」よりも「自ら学ぶ」方が自分の身になります。
皆さんも、嫌々やらされたことよりも自分が興味を持って取り組んだことの方が身になったのではないでしょうか。
アクティブ・ラーニングの主体的学習はより学んだことが身になり、実践として使えると言えます。
理解を深められる
2つ目の効果として、学習者が理解を深められることが挙げられます。
今までのただ教えられる授業ではなく、主体性を持つことで疑問に思ったことは自分で調べたり、誰かに聞いたり、話し合いをしたりして解決していきます。
「自分で考え、調べて得た知識」というのはただ教えられた知識よりも根本的な理解につながり、より理解が深まります。
協調性を高められる
3つ目の効果として、学習者が協調性を高めることができるようになることが挙げられます。
アクティブ・ラーニングでは、グループディスカッションやロールプレイなど、他の学修者とともに学ぶ機会が多いです。
今までの授業のようにただ聞いているだけでは、1人でノートをとったりテストに挑んだりするだけで、他者と協調して何かをするという機会はあまりありませんでした。
しかしアクティブ・ラーニングにより、他者と協調し考える機会が増えるので、協調性を高められます。
協調性は、社会に出た時に重要となる力なのでアクティブ・ラーニングを取り入れ、つけておきたい力の1つです。
アクティブ・ラーニングの具体的な授業方法
アクティブ・ラーニングには様々な授業方法がありますが、今回は以下の6つをピックアップして紹介します。
- ディスカッションを行う
- プレゼンテーションを行う
- ミニ・グループを組む
- ロールプレイを行う
- インクヴァイスを行う
- テクニカル・ドキュメンテーションを作成する
それぞれについて解説します。
ディスカッションを行う
アクティブ・ラーニングのディスカッションとは、学修者が自分たちのグループ内で議論を行うことを指します。
このようなアプローチは、学修者が自分たちで問題を解決し、考えを発信することを重視しています。
ディスカッションにより、学修者は自分たちで学んだ内容を理解するために、考え、議論します。
また、お互いに話し合うことで、自分たちの考え方を修正し、改善することができます。
ディスカッションにおける教育者の役割は、議論を促すことと、問題解決のサポートをすることです。
これにより学修者は理解を深めることができます。
また、教育者は学修者が議論し合うことで得られる知見を元に、次の授業の内容を決めることができます。
プレゼンテーションを行う
アクティブ・ラーニングのプレゼンテーションとは、学修者が自分たちが理解した内容を他者にプレゼンテーションすることを指します。
このようなアプローチは、学修者が学んだ内容を理解し、他者に伝えることを重視しています。
学修者は自分たちが学んだ内容を理解するために、自分たちで考え、プレゼンテーションを行います。
また、学修者は他者に向けてプレゼンテーションを行うことで、自分たちの考え方を明確化した上で発信することができます。
プレゼンテーションにおける教育者の役割は、プレゼンテーションを行うことを促すこと、発信能力を高めるためのサポートをすることです。
ミニ・グループを組む
アクティブ・ラーニングのミニ・グループとは、小さなグループに分かれて、問題を解決しあうことを指します。
このようなアプローチは、学修者が自分たちで問題を解決し、協調しあうことを重視しています。
ミニ・グループというスタイルをとることにより、学修者は自分たちで学んだ内容を理解するために、自分たちで問題を解決し、考えを発信します。
また、学修者同士で協力しながら問題を解決することで、協調性を高めることができます。
ミニ・グループにおける教育者の役割は、問題を解決しあうことを促すことと、学修者が問題解決能力を高めるためのサポートをすることです。
ロールプレイを行う
アクティブ・ラーニングのロールプレイとは、特定のシナリオを想定して、学修者がその中に入り込んで問題を解決することを指します。
このようなアプローチは、学修者が実際の状況を想定し、対応する能力を高めることを重視しています。
このようなアプローチをとることにより、学修者は自分たちで学んだ内容を理解するために、実際にその状況に立った上でどのように対応するかを考えることができます。
また、学修者は他の学修者と協調して問題を解決することで、学修者の協調性を高めることができます。
ロールプレイにおける教育者の役割は、学修者が実際の状況を想定し対応することを促すこと、学修者が実践的な能力を高めるためのサポートをすることです。
インクヴァイスを行う
アクティブ・ラーニングのインクヴァイスとは、学修者が紙とペンを使い、想像力を働かせて問題を解決することを指します。
このようなアプローチは、学修者が創造力を高めることを重視しています。
このようなアプローチをとることにより、学修者は自分たちで学んだ内容を理解するために、自分たちで想像力を働かせて問題を解決することができます。
また、学修者は紙とペンを使うことで、自分たちの思考を効率よくアウトプットしながらまとめることができます。
インクヴァイスにおける教育者の役割は、学修者が想像力を働かせて問題を解決することを促すこと、学修者が創造力を高めるためのサポートをすることです。
テクニカル・ドキュメンテーションを作成する
アクティブ・ラーニングのテクニカルドキュメンテーションとは、学修者が技術的な内容を文書化することを指します。
このようなアプローチは、学修者が技術的な内容を理解し、文書化することを重視しています。
このようなアプローチをとることにより、学修者は自分たちで学んだ内容を理解するために技術的な内容を文書化します。
また、学修者は文書化することで、学んだ内容をまとめることができます。
テクニカルドキュメンテーションにおける教育者の役割は、学修者に技術的な内容を文書化することを促すこと、学修者が技術的な内容を理解し、ドキュメント化する能力を高めるためのサポートをすることです。
まとめ
アクティブ・ラーニングの効果として、学修者の主体性が上がる、理解を深められる、協調性を高められることが挙げられます。
また、アクティブ・ラーニングには具体的な手法がいくつかありますが、今回はディスカッション、プレゼンテーション、ミニグループ、ロールプレイ、インクヴァイス、テクニカル・ドキュメンテーションの6つを紹介しました。
基本的に教育者の役割は学修者が主体的に学べるよう促したり、助言をしたりすることです。
学修者が困ったときはそっと手を差し伸べ、主体的に考えられるようサポートすることが大切です。